ペットを飼って
おられる方へのお願い
動物と過ごすということ
動物は、我々人間という動物と容姿、特性、習慣、食べ物などいろいろな面で違います。
動物に関する知識を持ち備えて、人間家族の一員として迎えてあげなければ、動物たちは快適に過ごせません。
人間は病気に関する知識を親や学校、地域社会から学び、さらに、書籍やインターネットからも知識の習得が出来ますが、動物は自ら知識を取得することが出来ません。
飼主様が、知識を積極的に持ち備えて判断し対処することをお願いします。
食事面
近年、ペットフードの性能の良さは、目を見張るものがあります。食べさせるのは、これだけで良いの?という意見は、どの家庭にもあるかと思います。一昔前に比べ、ペットフードを摂取している動物の寿命は延びています。総合栄養食のペットフードを基本とした食事にされてはいかがでしょう。
食べ物によって、病気をする・しない、寿命が長い・短いを左右することは動物の世界のみならず、われわれ人間社会でも同じでしょう。添加物の多い食べ物や偏食は病気を引き起こす原因となります。
環境面
もし、ペットとあなたの立場が逆であれば、あなたはどんなことを飼い主様に言うでしょうか。
「暑いよ!早くエアコンのスイッチいれて!」「風は強いし、寒いし、こんな時は家にいたいよ!」「外は雨ですよ!散歩行きませんよ」なんて人間のように言葉を話すことが出来たならば、この思いを伝えられるのに!と思うのではありませんか?
防寒対策
動物は、一般的には環境順応しているのですが、幼少期や年齢を重ねてくると体力や免疫力がありません。
人間は寒くなると衣服を重ねるなど寒さ対策をしますし、犬猫は震えながらも、密の濃い毛を生やして(アンダーコート)寒さに対応しようとします。しかし、家庭内にいる犬猫は、季節感を感じることなく、温度調節のされた環境にいるので、気温差の大きい寒い野外に突然出ると、体はびっくりしてしまいます。また、早朝と日中の気温差は、体調を崩してしまいがちです。
[注意]常時室内にいる
人間が暖かいと思っても冬に慣れていません。
暖房を入れるようにして空気を暖かくしてあげてください。また、ペットボトルにお湯を入れて湯たんぽにしてあげたりペットヒーターを入れてあげてください。室内の動物が外へ出るときは暖かい日を選び、健康状態を見ながら適切な時間で衣服を着せて出るのもよいでしょう。
主に室外で飼っている
細身の犬猫は栄養バランスを考えて与えてあげてください。皮下脂肪は寒さ対策になります。また、飼い主が常時見ているわけでないので、冷気が入ってこないように犬舎の入口にのれん状に布をつるすのも良いです。犬舎の下に古シーツやタオル状のマットや袋を作ってみてはいかがですか?体脂やオシッコなど着いた場合、洗いやすいですね。
汚れても使い捨てられるようにダンボールの利用も良いです。
熱中症
熱中症にさらされる危険は人間と同様に動物にも存在します。
特に大阪は、夏場の平均気温が本州の中で一番高い為特に熱中症対策をしてあげてください。
われわれ人間は熱くなると汗をかき、もっと暑いと感じれば自分自身に対してうちわなどで風を送るなどして冷やそうとします。
しかし犬猫は呼吸によって蒸気をだし気化熱利用で熱を放出するか、冷たいところを探して移動するなどして熱から遠ざかろうとするしかありません。皆さんのご家庭ではどうでしょうか?
外で飼っているわんちゃんに関して
春から夏にかけ日中の気温はグングン上昇します。冬で役立っていた密な体毛アンダーコートも必要なくなり、一般に毛の抜け変え期に当たります。
暑い夏期を迎える前に毛のお手入れをしてあげると良いです。
また、気温も上昇し直射日光にさらされると、わんちゃんは暑くて舌を長く出して息も絶え絶えになります。
その場合は日陰をつくるか涼しいところに移動してあげましょう。常時、十分な水の確保をしましょう。
もしひっくり返しても大丈夫なように、水の器を複数用意しておきましょう。
飼い主様は天気予報で当日の最高気温を気にするように。地面からの照り返しのきつい日や雨上がりの高温多湿のときは熱中症の危険があります。その日のお散歩はやめておきましょう!
特に毛の長い、毛が黒い、肥満、高齢、短頭種は命の危険性があります。
家庭内で飼っているわんちゃんに関して
室内で扇風機を使ってすごす方法もありますが、その横でわんちゃんは舌を大きく出してハアハアとあえいでいませんか?家の中は心地よい風が通っても気温が上昇していますので、犬種により風があっても汗腺の少ないわんちゃんは暑い!!のです。氷枕を抱かせても良いですが、酷暑には是非、エアコンを入れてあげてください!
症状
過度な呼吸で一点を見つめて体の動きが止まっている
体を触ると熱い!
ゼエゼエ言っている舌が青い
口から泡を吹き、失禁している(非常に危険)
対処
水風呂に入れるか、水をかけるなどして体温を下げる
冷房している所など涼しいところへ移動してあげる
落ち着けば水分の補給をする
予防
暑い日の散歩、運動を避ける。また、飼い主様がわんちゃんの表情を見てあげる。
留守時、家の中は蒸し風呂状態!冷房を入れてあげてください
直射日光のあたるところやエアコンの室外機の近くにわんちゃんを繋がない!
外では大きな水おけを用意してあげる。
車内エアコン、低めの設定温度に!
もしも自分の立場と逆で、そのようにして欲しいと飼い主様が察することが
できれば、ペットは心地よく夏期を乗り越えられると思います。
常に思いやりの心で接してあげましょう!
衛生面
排泄物から体の信号を読み取ろう
動物の排泄物を迅速に処理されるということは、心地よいスペースを提供することになりペットは喜びます。「身の周りのことしてくれる」と思い、居心地の良いものです。ぜひお世話をしてあげてください。
また、毎日排泄物に興味を持って観察されるということは、余計な心配や大きな 病気の予防となりますので、小さなことでもカレンダーやノートなどに記録を積極的につけましょう。
人と動物と心地よくおつき合いするために
近年、動物を愛するという動向から屋外にいたわんちゃんやねこちゃんは環境の変化で屋内に住む傾向にあります。このことで人間との距離が狭まり、本来うつるはずのない病気も存在するようになりました。気持ちの上では、恋人のような、家族以上の存在であっても、口移しで食べ物を与えたり触れた手で食事をすることはいかがなものでしょう?
われわれ人間は理性や高度な知識も持ち、思考もできますが、そもそも分化・進化した動物であるがため、変異した病原菌たやすく人にやってきます。手洗いを励行し、感染の口、鼻など直接の接触(チューなどの口づけ)は避けましょう。動物を飼うにあたっては、排泄物やその周囲を清潔にするように常に心がけ、飼い主当人はもちろん家族や周辺の人を動物由来感染症から防ぐようにしましょう。
当院では 野良猫、野良犬の保護はしておりません
野良猫、野良犬を拾われた方は、飼い主様として、最後まで責任を持ってください。
病気の治療など病院としてお手伝い出来るところは出来る限り協力致します。
動物の愛護及び飼育に関する法律
動管法(どうかんほう)『動物の管理及び飼育に関する法律』では動物を虐待したり殺したりしても、『三万円以下の罰金、又は科料(かりょう)』でした。
しかし動物愛護法では 『みだりな愛護動物の殺傷には百万円以下の罰金、又は懲役1年以下の刑。
愛護動物に対し、みだりに水や食事を止めることにより衰弱させるなどの虐待を行った者は三百万円以下の罰金。愛護動物を遺棄した者は三十万円以下の罰金』となりました。
飼い主様は大切な命を預かるものとして、ペットがその命を終えるまで責任を持って育てましょう。